十二の暦の物語【短編集】
「俺、絶対神楽センパイと一緒の学校入るしっ」
『う、うん…っ』

ぎゅうっと、抱き締める力が強くなった

「だから、部活推薦とかも貰ったけど、第一希望、神楽センパイと同じトコだしっ」

和泉君の力が、弱くなった
少しずつ距離が離れていって、ようやく解放された

もう、私の家は目前だった
目の前には、いつもと同じ笑顔の和泉君が居た

「だから、絶対浮気しないでなセンパイ!!」
『…うん』

しないよ。絶対に
また、笑顔が零れた

『じゃあ、待ってるね』
「おーっ」
『…あ、でも…』

今日くらいは、ちょっと勇気を出してもいいよね?
背伸びして


ちゅ


「……~~~っふっ…不意打ちはずりぃっ…」


真っ赤な和泉君に微笑んだ

『やっぱり、高校選びは、和泉君に合った学校にしてね。折角空手の才能があるんだから』


「センパイが居るトコが俺に合ったトコだからっ」

『…うん。じゃあ、北海道でお土産買ってくるね』

明日からは、ずっと女の子と居よう
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