雨情物語②<鯉患い>
せわしなく人々が行き交うスクランブル交差点を東に渡ると、県民自然の森公園の入り口です。


ツツジの植え込みで天界と下界を分けたかのような、一歩足を踏み入れるとあまりに静かなその場所は、まさに憩いと安らぎの公園。


くねくねと伸びる遊歩道の右側にはカラフルな遊具が雨に打たれて鎮座しております。


左側には雑木林が広がります。

雑木林の中に伸びる細い道を進むことにしましょう。


時おり傘をクルリと回して、露を払います。
木々の葉から滴る雨水が傘をパラリと弾く音を聞きながら、正面に見えてきた池に向かって道を外れました。
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