哀しみの音色
 
(やっぱり、知らなかったか)
(はい…)
(莉桜の性格からして、絶対に言いそうにないし。
 樹くんも意外と、そういうところ、うとそうな気がしたからさ)
(す、すみません……)
(謝ることじゃないよ。でも教えてよかった)
(はい!ありがとうございます!!)


それから俺は、すぐに莉桜に連絡を取り、明日予定を空けてもらうよう言った。

特別何も予定の入ってない莉桜は、いつもと同じテンションで承諾。
この様子だと、本人も明日が自分の誕生日だということを忘れていそうだ。


浩介さんから連絡をもらったのが、誕生日の前日の夜。

となると、プレゼントは莉桜との待ち合わせ前に用意するしかない。


俺は初めての誕生日ということもあり、どうしてもサプライズがしたくて、一人で見に行った。


正直、女の趣味なんて分からない。

限られた時間の中で、悩みに悩んで見つけたのは……


「……これだ…」


青い石のピアスだった。
 
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