哀しみの音色
 
打ち付けられる体。

叫び声をあげる通行人。


「救急車!!早くっ……」


バタバタと、俺の周りに人が集まってくる……。



いったい…何が………



動きたくても、指一本も動かせない。

目の上に何かが垂れてくる。

それが自分の血だと認識するのに、時間がかかった。



嘘……だろ…?



現実に起きている事実に、衝撃が走った。


ダメだ…
俺はこんなところで、倒れてるわけにはいかないんだ……。


莉桜が待ってる……。

遅れている俺に少し苛立ちながら……。


だから早く行って、なだめねぇと……




「……り……お……」




俺は死ぬわけにはいかねぇんだよ……。

 
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