またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


すると、キーーと音を立てて一台の車が止まった。


「空港までお願いします。」


「ちょ、ちょっと伊月!たた、タクシーなんてそんなお金今持ってないよ!!」


あたしは慌てて伊月のシャツの袖を掴んだ。


「いいから乗れ!時間ねーんだぞ。」


あたしは仕方なく、恐れながら伊月の隣に座った。




車内ではいびつな空気が漂っている。

このままだったら20時までに着きそうだけど今のあたしの頭の中ではタクシー台のことしかない。


そんなあたしを見たタクシーの運転手さんは勘違いしたのかはふふっと笑った。


「お二人さん、駆け落ちかい?」


世間話かなーなんて思ったら爆弾を落として来た。


「え……えええーー!??ちが、ちーー」

「違いますよ。今日発つ友達がいるんで見送りに行くだけです。」


伊月が丁寧に答えてくれてなんとか安心した。


しかし、その隣で

誰もこんなヤツと駆け落ちするわけねーだろ。

という言葉をあたしは聞き逃しやしなかった。


「悪かったですね!こんなヤツで!!!あたしだってあんたなんかこっちから願い下げよ!!」


「あぁーそっちの方が楽だわ。ってか、教室じゃねーんだから車くらい静かにしろ、この大バカ女!」



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