またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


始業式のときもそうだった。


あいつが舞台に上がれば女子達からは黄色い歓声。


でも、今度ばかりはみんな静かだった。



第一印象は最悪。

出逢った初日からバカにされるし
おまけに容姿は元そっくり。

これは神様からのイタズラじゃないかって思った。


でも、多分……偶然なんかじゃなくて必然だ。



伊月はスラスラと答辞を読んでいく。



その姿は元のようで……違う。



伊月智哉という、一人の人間で…



どうしても重ねてしまうあの頃は元の面影をずっと探していた。


まだ今より幼かったあの頃と今は違う。



元は元。伊月は伊月。



元に似ているからとかじゃなく…




あたしは今、伊月智哉という人間が



────好きなんだ。







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