またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜



「アイツがいなかったら、今こうして元の前で喋ることなんてなかったかもね…」


伊月が暗闇の中のからあたしを救った。


伊月がいなかったら、きっと今でもあの場所で泣いていた。




「ねぇ、元……。あたし、もう大丈夫だよっ……もうひとりで泣いたりしない。意地も張らない。……だからっ、幸せになっても…いいかな…?」



すると、風が舞ってあたしの髪は少し揺れた。



本当は今でも後悔してるよ。

早くこの気持ちを伝えていたらって……


でも、ちゃんと届いたよ。

元の気持ち。


だから、あたしもちゃんと伝えようと思う。



あたしは立ち上がって空を見上げた。

空は青々として太陽がキラキラ輝いている。



「……元、好きだよ。今でも…これからも大好きだよ。あなたに出逢えてよかった。……ありがとう。」



これからは、伊月に幸せにしてもらう。

元が羨むような二人になってみせる。



だから……どうか


あたしたちのこと、見守っていてね。



すると、また風が吹いて……


あたしの頬を撫でた。







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