何度でもまたあなたに恋をする
「なあ、莉央。俺を信用してくれよ。お前の一番そばに置いてくれ。お前を守れる場所にいたいんだ」

「しみ、春馬?」

「それでいい。清水さんなんて呼ぶなよ。俺はお前に二度とあんな思いをさせたくねえんだ。俺の隣でずっと笑っててほしい。お前に結婚なんてさせねえ。お前が結婚するのは俺だよ」

「そ、そんなの無理」

腕の中で見上げて首を振って彼の胸を押して距離を取る。そんなこと絶対に無理。あたしが結婚するのはお母さんとお父さんへの恩返し。お店が忙しくて遊んでもらえた記憶は少ないけれどちゃんと愛されていたことをあたしはいつも痛感していた。だからそんな二人の大切な居場所を守るためならあたしは。

「無理じゃねえ。たとえどんなことをしてでも、お前が大事なものを守るために結婚しようとするなら俺はお前を守るためにその結婚を潰す。そのためならなんだって俺はするんだよ」

両肩に手を置かれ強く掴まれる。痛いくらい。でもそれだけその気持ちが伝わってくる。そんなこと出来るわけないのに出来るかのように。

「あたしを振った罪悪感?だからそこまで言ってくれるの?」

「なんでそんなんで罪悪感なんて感じなきゃいけねえんだよ。待ってたんだ。この日を、ずっと。まだわかんねえのか?俺は、お前のことが好きなんだって」
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