不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「いい加減認めたら?愛翔君が好きだって」
「…………」
イタズラッ子のような笑みを浮かべるまどかに言い返すことが出来ない。
だけど頷くことも認めることも出来ない。
この感情を言葉で表すことなんて出来ない。
難しい顔をするあたしとは正反対に、まどかはなにが楽しいのかクスクス笑っている。
「美久にもやっと本気になれる人が現れたか」
「やめてよー、そんなんじゃないから」
あの意地悪な愛翔だよ?
昔から散々イジメられて
今だって……。
その延長線上にいるような関係なのに。
中庭は多くの生徒で溢れ返っていた。
きっとみんな久しぶりの晴れだから外へ出たいんだと思う。
その中でも一際目立つ集団がいた。
嫌でも目を引くその存在感溢れるオーラに、胸のドキドキが一気に加速していく。
「小田くーん‼」
同じくそれを見つけたまどかが大きな声を出して手をブンブン振り始めた。