不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
憎まれ口ばかり叩く愛翔には慣れているはずなのに、こんなに胸が苦しいのはどうしてだろう。
バカだなんて昔はしょっちゅう言われてたのに。
その度に言い返していた自分がウソみたいに思える。
今は言い返すことすら出来なくて、ただ唇を噛み締めることしか出来なかった。
「なんとか言えよ。俺が言ったことが当たってたとか?マジであいつに惚れたのかよ?」
「ち、ちがっ……っ」
愛翔の指が腕に食い込んで痛い。
顔をしかめたあたしを見ても、愛翔は顔色一つ変えなかった。
「あたしが好きなのは────」
「言われなくてもわかってるし」
あたしの言葉は愛翔の低い声によって打ち消された。