不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
確かに直接嫌いだって言われたわけじゃないけどさ。
だけど
態度でバレバレだよ?
「で、どうすんだよ?」
「そう言われても……付き合うって、その、アレだよね……⁉」
すぐ目の前にある愛翔の顔を見上げる。
からかって楽しんでいるようなその顔に悔しさが込み上げた。
だけど抗えないような力強い瞳に吸い込まれそう。
「アレって?」
「て、手を繋いだり……キッ、キスとかするんだよね?」
愛翔とするなんて考えただけで身の毛がよだつ。
だって、ありえない。
そういうことは好きな人とじゃなきゃ嫌だもん。
それにやっぱり付き合うだなんてムリだよ。
好き同士じゃないのに、そんなのおかしいよ。
「ぷ。なにお前、キスしたことねぇの?」
「なっ……愛翔には関係ないでしょ‼」
バカにしたようにそう言ってケラケラ笑う愛翔を思いっきり睨み付けた。