大人の純愛宣言

2大人の駆け引きには付き合いたくありません

翌日、ゴミ出しをしながら出勤することにした。私の仕事着はやはりグレイやブラック・ベージュ、そしてホワイトのパンツスーツが多い。初出勤だし、無難に…とグレイのパンツスーツに身を包んだ。全身鏡で映し、「よし!」と振り返ってみたけれど…
「ヒップライン、下がったなぁ」と独り言を言ってしまった。

今度、ゆかとエステにいかなきゃ。それからゆかが言ってた最強の補強下着とやらを買おうと切実に思ってしまった。

「いってきマース!」誰もいない、自宅マンション玄関で誰にともなく挨拶した。

株式会社サンシャインのあるビルは実は自宅マンションから徒歩圏内だ。

5月の爽やかな朝、私はカツカツとヒールの音をならしながら会社へ急いだ。初出勤だもの。早めに行って、仕事を覚えよう!

「おはようございます!」と入っていくと、秘書のカワイイ女の子が社長室へ通してくれた。コンドーム男とは気まずいけれど、今日はとりあえず初日だからかなと思い、社長室のソファーで待つ。畑中朝陽、と書いてある書類が見えた。名刺ではローマ字しか知らなかったけど、そういう漢字書くんだ~と思っていると、社長が入ってきた。私は急いで立ち上がって、挨拶をする。

すると、とんでもないことを言う社長。

「実は今営業のスタッフが手薄だし、自分の仕事でていっぱいだから…大井さんには申し訳ないけれど最初は僕が指導します。まぁ、前職でも営業として働いていたのだから、スグに慣れそうだ…」と笑っている。
内心、うわーコンドーム男と一緒に仕事するん?あー気まずと思ったけれど、これは仕事なんだから仕方がない。

その後フロアに行き、みんなに挨拶する。。。

会社内を見ると、ほとんどの人が20代じゃなかろうか。私ってもしかして長老!?秘書の女の子も小さくて可愛らしくて…ほかの女の子も私とは全然タイプが違う。若さでは勝てないから、仕事はがんばらなくちゃとおもっていた。
「じゃ、大井さん挨拶お願いします」
「大井裕子です。一日でも早く仕事、覚えられるように頑張ります。よろしくお願いします。それから見たところ、私が最年長のようですが…どうか気を遣わずにビシバシとご指導お願いします!」と笑うと、どっと笑いが起こった。





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