近い君、遠い君。
「…んー、じゃあ頑張って言ってみるねぇ!」
りりかは息を吐いて、吸う吸う吸う。
声援を送るのかな
『しゅんやくぅーんっ!頑張ってぇぇー!』
グラウンドいっぱいにりりかの声が響く。
…オイオイ。
低学年が冷たい目で見てるよ。
「…あ。」
隼也はりりかに気づいたみたい。
りりかの方を見て若干、笑顔がひきつってるけど。
そんなとき、私とも目が合った。
隼也は、あの懐かしい満面の笑み。
…なんで?