政略結婚~天使に導かれて~
病院へ着いた孝太郎たちは、すぐに愛を医師に預け、診察してもらうと、
やはり小林が診察した通り、愛は肺炎にかかり始めていた・・・。

愛は、そのまま入院することになり、華英が、愛の側に居ることになり
孝太郎は、君子を乗せて、一旦、別荘に戻り、皆に愛の病状を報告した。

「どちらにしても、兄さんの葬儀には出れないですね・・・・」

悠太は、そう呟くと、孝太郎が

「悠太君、妹が面倒かけてしまって・・申し訳ない・・・」

「孝太郎さん、良いんですよ。愛ちゃんと兄さんは、本当に仲が良かった
 んです・・・。
 愛ちゃんは、今は、躰だけでも元気になって貰わないと・・・・」

「ありがとう、悠太君。」

悠太と孝太郎は、お互い年が近い為、結構気が合って、時たま二人で
飲みに行ったりしていた。

その後、颯太の葬儀の段取りが済み、結局愛が不在のまま、颯太の
葬儀を行うことになり、家族と友人が揃う中、皆が颯太の死を惜しみ、
悲しみに暮れた。

島津の親戚からは、やはり愛が葬儀に参加していないことを言われたが
悠太が、

「愛ちゃんは、今、体調を崩して入院してます。それでも、あなた達は
 葬儀に出ろと言うんですか!?
 もう少し、思いやりを持っていただきたいものです!!!」

悠太の強気発言で、誰もがそれ以後、愛の事は言わなかった・・・。
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