政略結婚~天使に導かれて~
翌日、目を覚ました愛は、昨晩、悠太の抱きしめられながら、思いっきり
泣いたのが、恥ずかしくなった・・・。

それに、朝から瞼が重い・・・・。

「あぁー、泣きすぎちゃった・・・・悠太さんに迷惑かけたな・・・・」

そう呟きながら、瞼の腫れを摂る為に、キッチンへ行き、目を冷やしたり
していると、悠太が起きてきた。

「あっ、おはようございます。昨日は、ありがとう・・・・」

「どういたしまして・・・・目がだいぶ腫れちゃったね・・・」

「うん、だから今、冷やしてるの・・・・・」

「光太は?」

「うん、そろそろ起きる頃かな?」

「じゃー、見て来るよ。」

悠太は、何も聞かずに、光太を見に行った。

愛は、悠太のそんな優しさが嬉しかった。

颯太とは違う魅力を持つ悠太を、いつの間にか、自分が受け入れていることに
今はまだ気づかずにいた。

その日は、天気も良かったので、三人で海岸を散歩したりしながら、
のんびりと一日を過ごした。

翌日、悠太は、東京へ帰り、愛と光太は、二人っきりで、別荘に残り
残りの日々を過ごした。

鎌倉には、颯太との思い出が詰まっている。

颯太と過ごした日々を懐かしく想いながらも、自分は、これからも
颯太の分まで生きていく事を、改めて颯太に誓い

「颯太、一年経ったよ・・・・。早かった・・・・。
 颯太、いつも側に居てくれると信じて、これからも私、頑張って
 颯太の分まで生きるから、私がそっちの世界に行ったら、褒めてね!」

愛は、海に向かって、そう呟いた。
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