政略結婚~天使に導かれて~
「皆さん、今日は、兄の三回忌にお集まりいただき、ありがとう
 ございました。つきましては、これから皆さんに、ご報告が
 ありますので、お聞きください。」

悠太がそう述べると、そこへ弁護士の南条が入って来た。

「皆さん、お集まりの所、申し訳ありませんが、故人の三回忌を
 終えた本日、皆様にご報告があります。」

南条が、悠太に変わり、話始めた。

 ガヤガヤガヤ・・・・・・

『何の報告だ!!』『颯太に関係があるのか!?』と、親戚の人達が
騒がしくなってきた・・・。

「ご静粛に。実は、故人、島津 颯太さんの遺言が、あります。
 ご自分の三回忌を終えたら、報告して欲しいと、言われておりました。
 颯太さんは、妻である愛さんの、戸籍を、島津から西園寺に戻すよう
 遺言されております。」

『なんだって・・・』『子供はどうするんだ!』親戚たちが騒ぎ出した。

そんな中、愛は、呆然としていた・・・・。

「私が、島津の席を抜ける・・・・・・・・」

「悠太、南条さん、それは本当に、颯太の遺言ですか?」

「はい、そうです。これが遺言状です。颯太さんは、亡くなる前に
 私と悠太さんを呼び、この件に関してのお願いをされました。
 愛さんは、まだお若い。島津と西園寺の縁は、光太君がいるので
 愛さんを、島津から解放し、愛さんの新しい幸せを見つけて
 欲しいと、言われてました。」

「そうでしたか・・・・。解りました。颯太がそう望むのなら
 私どもとしても、颯太の意志を尊重しましょう!
 愛ちゃん、良いかな?
 もちろん今まで通り、君は、光太の母親だ。
 これまでと生活は変わらない。
 ただ、光太とは、苗字が変わることになる・・・・。
 良いかな?」

「・・・・・すみません、お義父さん、少し考えさせてもらえませんか!?」

愛は、考えてもいなかった事で、今は、何も考えたくなかった。
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