恋人たちのパンドラ【完】
「一度も二度も一緒よ。あなたの罪は消えないわ。

生まれて来たって不幸になる運命しかおなかの子には残ってないのよ。

これでなんとかしなさい。明日川端とともに病院に行きなさい」

そう言われて差し出されたのはゼロが沢山記載された見たこともない金額の小切手だった。

「できません。おなかの子は私の子です」

必死でまだ膨らんでいないおなかをかばう姿を見た美津子は再度悠里の頬をはたいた。

――バシッ

「いいから言うとおりにしなさい。それがあなたのため、ひいては壮介さんのためになることなのよ!」

はっと顔をあげる。

(壮介のため?)

確かに縁談が進んでいると聞いた。

その人との間に子供ができたらいつかこのおなかの子が火種になり壮介のよりどころとなる家庭を壊すかも知れない。

これ以上壮介を傷つけられない。

「わかりました―――」

そう言って、悠里はふらふらと立ちあがり、その場を後にした。
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