恋人たちのパンドラ【完】
「あなたは!」

今まで幸せでほころんでいた悠里の顔が引きしまる。

「お久しぶりですね。なんだかとても幸せそうに見えるわ」

笑みは浮かべているものの、目は冷たいままで明らかに悠里に対しての負の感情が感じ取れた。

「秋月さん。こんなところで・・・」

悠里の前に立ちはだかったのは、三国の非常階段で悠里にお茶をかけた美咲だった。

「専務に会いにここに来たのに朝からあなたがいるんだもの。出るにでれなくて」

そう言って悠里との距離を一歩ずつ詰める。

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