月と太陽
 「美月、おはよう」
 眠たそうな目をした兄がリビングに入ってきた。顔は眠たそうだが、しっかりとワイシャツに着替えている。
 「おはよう、お兄ちゃん。ご飯できてるよ」
 「ん。ああ。マーガリンは?」
 「テーブルの上」
 何気ない朝の風景。このやり取りがあると、今日も一日が始まったことを感じる。少しけだるくて、少しわくわくする。

 「美月。今日俺は夜勤だから、戸締りはちゃんとしろよ。」
 「わかってるよ。」
 
 兄の雅樹は外科医だ。ローテーションで夜勤がまわってくる。

 「それから、来週の土曜はどうする?早く返事をしないと。」
 「わかった。考えとくよ。」
 「そうか。無理して行け、とは言いたくないけど、今回は父さんと母さんのことだから」
 「うん、わかった」


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