月と太陽
来週の土曜の夜にパーティーがあるということを兄から知らされたのは、2週間前だった。父と母の結婚5周年記念パーティーだ。父の仕事柄、パーティーの知らせはよく来るが、いつも兄は、「無理してまで行かなくていい」と言ってくれる。だから、美月は、兄の言葉に甘えてめったに参加したことがない。でも、今回ばかりは、パーティーの主役が主役なだけに、彼女も参加しないわけにはいけないのだ。兄は、はっきりと言葉にして、美月に「行け」とは言わない。でも、彼女には兄の思いが痛いほど分かる。
だから、「パーティーに行く」と兄に早く返事をすればよいものを、彼女は、なかなか踏ん切りをつけることが出来ずにいた。行かなければいけないことは分かっているのだが、やっぱり行きたくない。パーティーとか宴会とか、彼女は人がたくさん集まる場所が苦手だった。そこにいると、その場の空気に飲み込まれて苦しくなる。参加者たちは、初対面同士でも、パーティー特有の雰囲気に流されて、親しくなっていくのに、美月には、そういうことができなかった。お酒も好きではない。にぎやかな空気の中で、自分だけ独りになって、いつまでたっても成長しない自分に自己嫌悪を感じながら、会場を後にするのだ。
だから、「パーティーに行く」と兄に早く返事をすればよいものを、彼女は、なかなか踏ん切りをつけることが出来ずにいた。行かなければいけないことは分かっているのだが、やっぱり行きたくない。パーティーとか宴会とか、彼女は人がたくさん集まる場所が苦手だった。そこにいると、その場の空気に飲み込まれて苦しくなる。参加者たちは、初対面同士でも、パーティー特有の雰囲気に流されて、親しくなっていくのに、美月には、そういうことができなかった。お酒も好きではない。にぎやかな空気の中で、自分だけ独りになって、いつまでたっても成長しない自分に自己嫌悪を感じながら、会場を後にするのだ。