ありがとう。
「なぁ、お前と美喜ちゃんってどういう関係?」
教室の自分の椅子に座ると、勝利が俺の席に来る。
「いきなりなんだよ。家が隣なだけ。」
「ふーん。まあ、奏がそういう関係になるはずないしな。」
勝利の言ってる言葉の意味は、つまり俺が・・・
「奏君、おはよう。」
俺が考えにふけていると隣から女の声がした。
「詩歌か。おはよう。」
「最近、その・・・あのこと上手くいってる?」
「まあまあ、かな。」
俺は嘘を言う。
詩歌を心配させるわけにはいかない。