可愛い生徒(カノジョ)の育て方
9月の閻魔帳
 夏休みが終わり、部活の生徒もほとんどが引退した9月。

 本格的な受験シーズン到来だ。

 生徒の目の色が変わってくるのも、この時期。

 何とか彼らの期待に応えられるように、教員ができることはただ一つ。

 頑張る生徒の環境を整えること。あとは本人のやる気次第。


 この時期になると、授業中の生徒の内職も増えるが、ある意味仕方がないと俺は思っている。

 日本史や世界史で受験する生徒は、政経よりそっちの勉強を優先したくなるのは当然だし、そのための内職だったら、俺は黙認する。

 授業の評定より、一般入試やセンターの得点の方が、人生に関わるからだ。

 興味・関心のある勉強は、授業以外、どんなタイミングでもできる。

 今、やらなければならない勉強は何か、優先順位をつけた結果が内職だとしたら、そっとしておくのが人情ってものだ。

 ただし、政経で受験する生徒や、推薦で受験する生徒には内職させない。

 当たり前だが、政経で受験するなら聞くべき内容だからだ。


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