可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「頼むよ先生~! 虫よけと虫さされの薬は、この山ん中では必須アイテムだよ~!」

「わかった。帰ったら反省点として挙げておく。来年は改善されるぞ」

「来年じゃ遅いのおぉ~!」

 ……確かに。


 部屋に戻ってみると、大森先生はいなかった。

 そうか、夏期休暇で途中から抜けるって言ってたな。

 大森先生の話が、頭の中にずっと残っていた。

 だから、つい生徒をそんな目で見てしまうんだ。


 俺の守備範囲に高校生は入らない。

 これは絶対だ。

 生徒は、保護者からの大事な預りもの。

 どんなに可愛いと思っても、それは親が子どもを可愛がるようなもの。


 ……バカな子ほど可愛いって言うからな。

 まさに、当たってる。

 俺は自分で納得できる答えを見つけて、満足していた。

 この時はまだ……。

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