可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「しかし、これはあくまでもアルバイトをせず、奨学金制度を使わなかった場合です。
 例えば、彼女が京都で一人暮らしをするためには、毎月12万円必要だとします。そのうちの5万円をアルバイトで稼ぐのは、大学生としてはごく当たり前でしょう。家庭教師を週に6~7時間やればその位の金額になります」

 評価の高い家庭教師なら、そのくらいが相場だ。

「あと7万円必要となりますが、お母さんにお伺いします」

「は、はい。何でしょう?」

「菫さんに今使われているお金は毎月どのくらいになりますか?」

 保護者に対して、生徒を下の名前で呼ぶのは当たり前だが。

 ちょっと照れくさかったりする。

 集中、集中。

「そうですねぇ……。学校に納入していたお金と、バス代、模試代や参考書でだいたい2万5千円位でしょう。それからお小遣いと携帯料金で1万円。
 お洋服やこまごまとしたモノなんかも月に1万円位かしら。
 あとは食費や光熱費も……となれば、大雑把に考えて4万円位かかっていると思います」

 そのくらいとは予想していたが、これを聞いて嬉しくなった。

 狙いどおりだ。
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