twin∞soul
駐車場に車を止めて、砂浜を歩く。

流は全くもって平然と、淡々としている。

さっと私に手を繋げと自分の手を差し出す。

もちろん、私はその大きな手のひらにスッポリと自分の手を入れる。

ギュッと繋いだ手を、離さないでね。

「砂浜を歩くなんて、何十年前のカップルが考える事だぞ...笑はオバサンだな」

「いいでしょ!」

「日が沈むまでには、まだ時間もあるしなぁ…」

私は穏やかな小さな波に、しゃがみこんで触れてみる。

「流、冷たい...」

「そりゃ、そうだろな」

流も同じく、しゃがみこんで波に触れる。

「...」

「流、あそこの木陰まで歩こうよ」

そう言ったら、流は私の顔面に向けてイタズラに、濡れた手をピシャリと跳ね付けた。

「ヒャッ!なにするの...うぇっ、しょっぱい」

「...海水だからな」

「そうじゃなくてぇ~☆」

「ほら、歩くぞ」

流は私の手を持ち上げて、また私たちは歩き出す。

バイトの事や仕事の事だとか話をした。

子供の頃はこんな子だったとかも話をした。

こんな状況になったら、自分だったらこうやって対処するだとかの、性格面の話もした。

血液型の話もした。

誕生日はいつだとか、好きな音楽の話やテレビの話もした。

食べ物の好き嫌いだとかだって、とにかく流の事は全部知りたいから。
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