twin∞soul
2 乗り込む女、嫌がらせ男
...気まずい。

朝からこの気まずい雰囲気の私は、なんなんだろう。

喫茶店のカウンターの奥から、こっそりとあの男がコーヒーグラスを、手に取るのを見つめていた。

今日は珍しく会社の同僚を連れて来ている。

また、偉そうに長い足をほおり出して、自慢してんのか?

アイツの笑ってるとこは初めて見るけど、どう見たってイヤミな笑顔にしか見えない。

嘘臭い笑顔はあんただろうが、全く。

あっ、アイツまたコースターに書いてる!

しかも、お連れ様のコースターにも何か書いて る!

な、なんて奴!
信じられない!

今日コーヒー入れたのも、運んでやったのも私じゃないのに。

ケッ!
相変わらず嫌な男!

あんたはマズイかも知れないけど、私は昨晩の一件で気マズイ。

ゴロを合わせてる場合か私。

早く帰れ、オッサン!

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