twin∞soul
20 迎えに来た
あの夜から1ヶ月後、流は奥さんと別れる事になった。
あの夜から3ヶ月後、流は試験を受ける。
あの夜から半年後、流は正式に離婚をした。
あの夜から流は、毎週のように私の実家まで、私に会いにやって来る。
もちろん、毎日毎日メールや電話を繰り返しながら。

なかなか人を誉めたりしない母が言う。
「流さん、いい人だね。あれはアタリだよ?早く結婚しなって」
「やだ、もぉ!でも確かにアタリだわ。あはは(笑)」

何も知らない母は、すっかり気に入ってしまっ た。

今まで結婚していた人だなんて。
そして、私が人から奪ってしまった人だなんて。

詫びる気持ちがない訳じゃない。
でも流を幸せに出来るのは、絶対にこの私しか居ないと確信してる。
だって、流が私と一緒に居たいと望んだのだから。

私なら、流を幸せに出来る。

流は、選ぶ相手を間違えてしまった。
だから、今度は間違いではないんだよ。

あなたの隣には私がふさわしいの。
結ばれる事は決まっていたの。
同じような運命の中で、私と同じ魂を持ち合わせた二人が出会えば、一緒になるのは当たり前でしょ?

「何かさぁ、結婚が女の幸せかって言ったら、以外とそうでもないんだって思うようになってきたんだよね。無理して手に入れる程の事じゃないって言うかさぁ」
「あんた、それ独身が長過ぎだから麻痺してんのよ。そういう人も無きにしも有らずだけど、親としては心配なんだよ?」
「誰かに急かされたり、うらやましいだけで結婚なんてしたくない。そんなもので自分の人生を変えたくない。今、決めたやりたい事を自由にやる事が、結婚よりも一番幸せだよ?」
「ポジティブなのかネガティブなのか、分からない子だねぇ、あんたは」

私は地元の近所のスーパーに入っている花屋にまたパートで仕事をしている。
やっぱり花屋は自由に思い描いた事を形にしていけるから。
こういう仕事、向いてる。
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