twin∞soul
8 海
海、海、海ーッ!

喫茶店でも花屋でも、家に居ても、露骨に流と海へ出掛けた時の妄想ばかりしている。

その日のために服も買った。

かばんもサンダルもピアスも...下着も買った。

流に好きだと言ってもらいたくて、えらく久々に買い込んだ。

だからドタキャンだけは止めてね。

時夫は、明日の朝から日曜の夜まで帰って来ない。

「懐かしい同級生とたっぷり遊んでくるよ。母ちゃんの手料理も久しぶりだからなぁ、何か嬉しい」

「思う存分に、ゆっくりしてきなよ。せっかく取れた連休なんだから」

私は、時夫の荷造りを手伝いながら、テンション高めに答える。

「寂しいとか言って、電話してくんなよ?長電話とか面倒だからさぁ」

「バカじゃないの?私はちゃんと花屋のバイトのメンバーと、御飯を食べに行く約束してるし、他にも夜はカラオケや、なんやら予定入ってるから大丈夫」

嘘だけど。

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