ぱんつのおかず

音立てんように息しながら、しばらく、セッチの背中を見つめる。



…しずか、やなぁ。


うん、そら寝とるんやから、当たり前やねんけど。



いっつもうるさく言い合いしとるから、こうやってセッチをまともに見ること、なかったかもしれん。



セッチの部屋、久しぶりや。


青っぽいカーテン。ウチのよりひとまわりおっきいベッド。


寝とるセッチを見るんも、久しぶり。



久しぶりやなくて、今日ははじめても、あったな。




…今日は、いろんなセッチの顔、見た気がするなぁ。




しゃがんだ姿勢から、もっと丸まって。



小さくなって、肺にたまった息をはく。




…ついさっきまではな。



なんであんなんで、帰るくらい怒ってまうんって。ワガママやなぁ、て。



思っとったけど、その気持ち。ちがうとらえ方に、変わっとって。



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