ぱんつのおかず
その日。
わたしは生まれて初めて、ヒトを、両足そろえて思いっきり、蹴り飛ばしました。
水泳のときの壁キックより、すごい力が出たのではないかと思います。
華麗でした。
ヒトって、こんなにもキレイな孤をえがいてふっとぶんだなぁ、と思いました。
生まれて初めて、本でヒトを殴りました。
平たい部分ではなく、あえて角をつかいました。
本の角って、アタマに当てるとなかなかすごい音がするんだなぁ、と思いました。
え?暴力女?
いえいえ、ちがいます。
決して、わたしが暴力的なわけではありません。
そのヒトが、それほど悪い所業をはたらいたのです。
なにをしたかって、それは言えません。口にしたくもありません。
これっぽっちも、思い出したくありません。