ぱんつのおかず
ベッド周辺はガランとして、残されたのはおれ一人。
カラッカラのくちびる巻き込んで、そのままベッドにひっくり返った。
枕に、後頭部が当たる。…痛いわ。絶対たんこぶできとるわ。
たぶんまだ赤いままの顔に、シーツがひんやりしみる。
ガラッてドア閉めて、先生がこっちに近づいてくる。
「…大丈夫なん?古町くん」
「………」
大丈夫?大丈夫やない。
アタマも心臓も沸騰。まだバックバク言うとる。
先生が入ってこんかったら、発火しとるなかで、取り返しのつかんこと、言ってまいよった。
手ぇギュウ握って、こふじ、って。
何を言いかけてん、自分。
思い返して死にそうなるようなセリフ、よー言おうとしたな、おれ。
死ね。いっぺん死んどけ自分。
「あー………」
「…ホンマ大丈夫?」
今にも出してまいそうやった言葉が、腹の底で、ずっと跳ねとる。