抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
『…ん…。暁…?』
『…起きた?』
『やっべー。俺寝てた?』
『うん。寝てた。寝顔バッチリ見ちゃった。』
『マジで?寝言とか言ってない?』
『さぁね〜。どうだろ。』
寝起きの純はかわいくて、つい意地悪を言いたくなる。
『…さてと。俺、そろそろ帰るかな…。』
もうすぐ4時…。
朝になれば…また独りぼっち。
昼には夫が帰ってくる…。
でも…まだいてほしい…。
『あと…10分だけ…いて。』
純はコクンと頷き、私を抱きしめてくれた…。
私は、思った。
ネックレスは純に預けよう。
そして、もし夫に聞かれたら捨てたと言おう。
その方法でしか、ネックレスを守ることは出来ない…。
私はネックレスを外し、純の首にかけた。
『暫く預かってくれない?来週、会社で受け取るから…。』
せめて、会社ではつけていたい。
だから、それまで純に守ってもらいたい…。