抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
無情にも時間は刻々と過ぎていく。
私を抱きしめる純の腕の力が弱くなる。
私は、この瞬間が一番辛いんだ。
夢から現実へと連れ戻される瞬間…。
ここで、『行かないで』と言ったら、あなたはここにいてくれますか?
『ずっといたい』と言ったら、ずっと一緒にいてくれますか…?
『じゃあ、来週ね。』
おでこにチュッとキスをしてくれた。
もう、外は明るかった。
純が帰った後の家は、何故か広く感じて、すごく寂しかった。
ベランダへ出ると、駐車場から純の車のエンジン音が聞こえた。
暫くすると、車がゆっくりと出ていった…。