魔力のない世界


廊下は少々暗くなっていた。


足音をたてないよう、慎重に歩みを進めた。


男性は周りをしっかり見渡しながら廊下の端をするすると蜥蜴のように歩く。


…廊下を歩くのにこんなに緊張する日が来るなど思っても見なかった。


見つかったら、何をされるかわからない。


もしかしたら、殺されるかもしれない。


たくさんの不安が頭をよぎる。


目の前の男性は、そのような不安な面持ちを見せずに、淡々と歩みを進めている。


角を曲がろうとしたところで、男性が立ち止まった。


「人がいる」



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