□□□□□□□セクシー・コメディ□□□□□□□「コンクリート・ジャングル」


「りき…じゃなかった、姫、来てる?」


「あ、姫さんなら来てますよ。
煙草吸ってます」


「あ。そう。
ちょっと顔出してから仕事するわ」




力士こと姫こと深田リョウコは、この会社が経営するテレクラ「PAOPAO」「パラダイス」(他にも複数店名があるようだが)で一番のトップスターなのだ!

つまり稼ぎ頭。


彼女のカナリヤボイスのテレフォンHを求めて、男たちは電話を掛けまくってくる。
指名出来るわけじゃないから、力士の声に当たるまで必死に。



ー20歳の女子大生ってことにしてるんだよねえ。名前はありす。
あんたと同じ…クス。



あの日、煙草の煙を鼻から吹きながら、力士は教えてくれた。

クス、とわざと笑った声は確かに可愛かった。
女の私でも思うのだから、そんな声とエッチするなんて男はたまらないだろう。



ーこの仕事ね…


力士は自分の美学を語り始めた。

私はケイタの為に夕飯を作らなければならないから、早く帰りたかったのに。




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