あの花が咲く前に③





「つつじ・・・。

 お前。このこと望んでんのかよ。」


「・・・空斗。

 望んでないって言っても

 通じない世界なんだって言ったら?」


「・・・俺が

 どうにかし「できないよ。」」


つつじが大きな声を出す。


「あたしだって こんなの嫌だ!

 それでも・・・セリア様が帰国して

 このチャンスは 1度しかないって。

 このチャンスを掴むのはお前の手に

 かかってるって。

 親に言われたら・・・。

 どうしようもないじゃん!


 こんなパーティーしたくなかった。

 でも・・・最後に空斗のスーツぐらい

 選んであげられて・・・よかったよ。」


その時俺に向けられた眼差しは悲し気で

今まで俺は見たことのない

つつじの目だった。




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