あの花が咲く前に③





「俺は・・・

 どれほどちんけな存在なんだろう。

 なぜ こんなにも

 人の役にたてないんだろう。」


「空斗。」


詠が話しかけてくる。


「あなたは 悪くない。

 私が・・・しっかり

 けじめをつければ

 こんなことには ならなかったのよ。」


「どういうことだ?」


「本当は セリアとは

 私が結婚するんだった。

 でも・・・。

 つつじの 家が急に

 結婚の話を持ち出して。

 私はセリアに何の返事も

 出来ていなかったから

 セリアの家族は・・・

 ほぼお金目当てで

 つつじとセリアを結ばせることに

 決めてしまった・・・。」




< 63 / 115 >

この作品をシェア

pagetop