あの花が咲く前に③
「俺は・・・
どれほどちんけな存在なんだろう。
なぜ こんなにも
人の役にたてないんだろう。」
「空斗。」
詠が話しかけてくる。
「あなたは 悪くない。
私が・・・しっかり
けじめをつければ
こんなことには ならなかったのよ。」
「どういうことだ?」
「本当は セリアとは
私が結婚するんだった。
でも・・・。
つつじの 家が急に
結婚の話を持ち出して。
私はセリアに何の返事も
出来ていなかったから
セリアの家族は・・・
ほぼお金目当てで
つつじとセリアを結ばせることに
決めてしまった・・・。」