淡色ドロップス





「高橋さん?」

「わっ」

「痛い?」

「へっ。あ、ぜーんぜん! もう痛くないです大丈夫れす!」


れすだって、噛んじゃった。


それよりも、“高橋さん”って。

私の苗字、憶えてくれたんだ。



わあーもう! 惚れてまうやろー!


「靴下、下ろすよ」

「っ、あ、はい」


私の前にしゃがみ込んだセンセーは袋から消毒液を取り出す。


え、うそ、もしかして
コレ買うために上に行ってたの…?


ほ、ほ惚れてまうやろー!!




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