あの日、言いたかったこと。

逢沢日向

桜井悠斗

そして……神山光輝


俺達は……幼稚園時代からの幼なじみ。


いつも一緒にいて、遅くなるまで遊んで、時には一緒に怒られたりもして……。


そんな、ただの仲の良い三人組だった。


三人組“だった“。


今はもう違う。


同じ学校の悠斗とすら話すことはない。

今日はたまたま話しただけだ。


……あの日、俺達は幼なじみという関係を壊してしまった。


もう修復なんて……できやしない。


だけど、できることなら……あの日に戻りたい。


戻って……言わなければならないことがある。


アイツは……光輝は許してくれないだろうけど……

それでも……。


……もしあの時、「ごめん」ってたった一言言えてれば俺はこんな思いをせずに済んだのだろうか。


……いや。

それでも俺のやってしまったことは消えてなくなるわけじゃない。


俺はずっと……背負っていかなければならない。

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