あの日、言いたかったこと。

あの日……光輝が俺達に伝えようとしていたのは……俺達への褒め言葉？

無視していた俺達に……わざわざそれを伝えるために追いかけてきたのか……？


「っ……何だよ、それ……っ……」


何で自分を無視する人を褒めようなんて思うんだよ……

何でっ……どうしてっ……


……涙が止まらなかった。


ちゃんと話を聞けばよかった……。

あの時……横断歩道なんか渡らなきゃっ……


「……日向君と悠斗君は光輝にとって自分の身を投げ出してでも守りたかった大切な存在だったんだよ」

「そんなっ……俺達……そんなことしてもらえるような良いヤツじゃなかったのにっ……」

「……光輝は気づいていたんじゃないかな。
君達が何を思っていたのか……」

「え……？」


知っていた……？

俺達の気持ちを……？


そんなこと……あるわけ……


「……あの事故の前、光輝が私に聞いてきたんだ。
友達が自分のせいで落ち込んでいる時はどうしたらいい……って」

「っ……………！！」

「だから……多分気づいていたんだ。
君達があの練習試合のことをずっと気にしてるって……。
あの子は君達の変化にだけは敏感だったからね」


……おじさんはそう言いながら小さく笑った。


気づいてたって……。

そんな……。

……だから、アイツは俺達にいつも笑顔で話しかけてきたのか。

俺達が何で避けるのか……何を気にしていたのか……知っていたから……。