あの日、言いたかったこと。
「……お前はさ、俺といると辛いこと思い出すって言うけど。
……このまま逃げちゃダメなんだよ。
俺達は……俺達がちゃんと向き合わなきゃ」
「……分かってるよ、そんなこと。
分かってる……けどっ……」
そんな……簡単なものじゃないんだ。
あの日……小学生だった俺に突きつけられた現実は……想像を絶する以上に重くて……残酷なものだった。
「お前……見たか?
アイツが……光輝が……轢かれた瞬間。
……俺は見たよ。
……人形みたいだった。
人形みたいに……跳んだんだ……」
「日向……」
「向き合うったって……どうしたらいいか分かんねぇんだよ……。
……でも……この七年……アイツのことを忘れた日なんて一度もねぇよ」
忘れようとしたことなんて何度もある。
でも、忘れられないんだ。
当然と言えば当然かもしれない。
だってアイツは……俺の親友だったんだから。