ソットボーチェ~あなたの声で~

「あー、俺たち邪魔だったかな…?ちょっと前からココ気になってて寄ってみたんだけど…」

一人の男の人が気まずそうに話した。

「あぁ!!ごめんなさい!!こいつ、ほんとイヤな客で…。いつも営業妨害してくるんですよ」
「はぁ!?誰がいつ、どこで何時何分に……」
「萌花ちゃん、うるさいよ」

わたしが立ち上がって文句を言っていると途中から常連さんに止められた。

「ごめんなさい…」

注意したのは、ここの常連さんで25歳会社員の西田くんだった。

わたしより5歳も年下なのにしっかりしている。

いつも止めてくれるのは、この西田くんだ。

「全く。聖斗さんも聖斗さんですよ。萌花ちゃんが嫌がるようなこと言うから喧嘩になるんでしょー」
「でも!!今のは萌花が……」
「そんなことよりお客さん困ってますって」

西田くんに言われると聖斗は、ハッとしてお客さんに向き直った。
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