社内恋愛のススメ



私の冷たい態度に気を悪くする様子もなく、長友くんはいつも通りに平然としている。


飄々としていて。

上条さんとは別の意味で、中の感情が読み取れない。


バカにする様に、長友くんはこう言った。



「行かないの?」

「行くって、どこに………?」

「だから、会議室。さっき、部長が召集かけてただろ。」


長友くんの言葉に、ハッとする。



(そうだ!)


召集。

部長から呼び出されていたんだった。


新しいプロジェクト関連の会議が、今、正にこれから始まるんだった。



いけない。

ぼんやりしている場合じゃない。


周囲を見渡せば、フロアに残っているのは私と長友くんの2人だけ。

ポツンと、フロアに残されてしまった私達。


いつまで経っても動き出す気配のない私を見かねて、長友くんが声をかけたらしい。



「どうしたの?お前、何かおかしくない?」


長友くんの視線。

不審そうに歪んだ視線が、私に真っ直ぐぶつけられる。



これでも、仕事には誇りを持ってる。

仕事が出来る方じゃなくても、全力で取り組んでいると胸を張って言える。


いつもテキパキと動いている私とは違う、今の私。



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