社内恋愛のススメ



長友くん。

長友くん………。



会いたいよ。

すごく、長友くんに会いたい。


そう言ったら、罰が当たるね。



だって、長友くんとの別れを決めたのは私。

長友くんの手を離すことを選んだのは、他の誰でもない私なんだから。


今でも覚えてる。

忘れたりなんかしてない。



長友くんと過ごした毎日。

長友くんが、隣にいてくれた日々を。


長友くんと過ごした毎日は、長友くんそのものみたいに煌めいてた。



太陽みたいな、長友くん。

眩しくて、目を背けてしまったのは私の方。


真っ直ぐ過ぎる長友くんの心は、失恋したばかりの私を救ってくれた。



忘れないよ、長友くんのこと。

忘れられないよ。


長友くんがくれた、言葉の全てを。





「あんな男、止めとけよ!」

「………っ!」

「だって、そうだろ。他に、女………作ってたんだろ?」


私の為に、一生懸命怒ってくれた長友くん。



「鍵、開いてたけど。不用心な女だな……。」


憎まれ口を叩きながらも、私のマンションまで来てくれて。



「どう?美味いか?」


私の看病までしてくれた、長友くん。



「俺は、結婚………したいけどね。」


密かに結婚願望を語っていた、長友くん。



「じゃあさ、恋人っぽいこと………してみる?」


そう言って、私にキスをした長友くん。


全部覚えてる。

全部、全部………覚えてる。



「俺が結婚したいのは、お前。俺が好きなのは、お前。俺、有沢のことが………好きなんだよ。」


長友くんがくれた愛も。



「有沢、結婚しよう。」

「………!」

「俺達、結婚するんだ。」


プロポーズの言葉も。



「俺は、お前と離れたくない!お前がいなくなるなんて、俺には考えられないんだよ………っ。」



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