ピンキーリング【短編】
今日は、12月25日クリスマス。
町はクリスマスムードでとても華やかだ。
今日は、朝から拓ちゃんとデートだった。
2人とも、この日だけは予定をいれずにしていた。
今日のあたしは、頑張ってミニスカートをはいている。
足が寒くてたまらない。
凍える手に、はぁと息をふきかける。
なんでかわからないけど、今日はいつにも増して拓ちゃんが待たせる。
こっちは寒くてたまらない!
あまりの寒さに座りこんでいると、拓ちゃんが走ってやってきた。
「ごめん!」
「……遅い。」
ちょっとふてくされてみる。
拓ちゃんがあやまりながら、自分のコートをあたしにかけた。
「これじゃあ、拓ちゃんが寒いじゃん。」
そう言って脱ごうとしたら、拓ちゃんに止められた。
「オレ今走ってきたから暑いんだって。
だから大丈夫。
オレよりも、自分の足を心配しなさい。」
そう言って、あたしの手をにぎる。
「じゃあクリスマスデートに行きましょうか!」
あたしに笑顔を向けながら拓ちゃんが言った。