アウト オブ ザ ブルー
「えっ…、もう生まれちゃったの?」
「はい、1週間前に」
そういわれてみると、深雪ちゃんのお腹は臨月の妊婦のものほど突き出てはいなかった。
まだ2月だというのに既にキーチの子どもが生まれたと聞いて、卒倒するかと思った…
が、
私の心は思ったより強かった。
コージさんがくれた言葉のせいか、心のどこかでこの日を迎える準備ができていたのか、
多少の落胆はあったものの、意外と冷静な自分がいた。
あきらめがついたというよりは、自分の中で何かつきものが落ちたという感じだった。
私は再びおめでとうを言った。
「でも、どうしてこの病院に…?」
「あの…、説明すると長くなるんで、よかったら向こうでちょっとお話ししませんか?」