アウト オブ ザ ブルー
明け方。
私は久しぶりにキーチの夢を見た。
夢の中で、彼は私と向き合い私の頭をなでてくれていたが、
急に「これで終わり」と言うと、ひとり遠くに見えるドアへと歩いて行った。
私はついて行くことができず、何度も彼の名前を呼んでみたが、
ついにキーチはそのドアを開け、中に入って行ってしまった。
そして一瞬こちらを振り返った彼が、悲しそうに笑ってドアをパタンと閉めたところで目が覚めた。
やけにはっきりした夢で、目覚めた後もキーチの掌の感触がまだ前髪に残っているようだった。
すぐには起き上がれなかったのでそのまま横になっていると、
だんだん目の奥が熱くなっていくのを感じた。
キーチが結婚してしまうのはやはり嫌だったが、
子どもが生まれてしまった以上、それはもう仕方のないことだと、昨夜から自分に言い聞かせていた。
それでもキーチを忘れることは容易ではなく、
私はこの気持ちを黙って胸の奥にしまい込んでおくことを決めていた。