アウト オブ ザ ブルー
キーチは軽くため息をついた。
「ホントごめん…。こんなことになるなら俺…、最初っからお前にちゃんと好きだって言っとけばよかったな…」
彼は嗚咽する私を抱き寄せ、力強くぎゅっと抱きしめた。
「ホラ、もう泣くな。…いつも言ってるだろ、人生、『アウト・オブ・ザ・ブルー』なんだって…」
彼はそっと腕を離し、ゴツゴツした右手で私の頭を何度かなでた。
「でもやまない雨はない、とけない雪はない、明けない夜もない…。お前は俺がいなくても、ちゃんとやっていけるって…」
彼の顔を真っ向から見上げると、
その目はこれまで見たことがないくらい、悲しそうに見えた。