アウト オブ ザ ブルー
頭を悩ませている間、私は自分の誕生日を思い出していた。
私の誕生日は、キーチに言わせればゴロがいいとのことで、彼にちゃんと覚えてもらえていた。
それで「いつがいいですかね」と首を傾げる先生に、私はつい言ってしまった。
「あの…、なにか覚えやすいゴロができる日がいいんですけど…」
「そうですねえ…」
先生は紙に日付をみっつ書くと、ペンを握ったまましばらくそれを見つめていた。
「先生…?」
私が呼びかけると、彼女は急に何かひらめいたように口を開いた。
「じゃあ、4月12日はどうですか?」
「え?」
「だって、ゴロがいいでしょ?『シあわせで、イチばんツいてる日』って…」
「先生、それはちょっと無理があるんじゃ…」
私が失笑すると、先生も「それを言われると、もうどうしようもないんですけどね」と笑った。