月が綺麗だね。


あたしの言葉を遮るようにそう言うと手を握ってきた。冷たい。これが現実なんだね。


デートっていっても周りの目を気にしてできるだけ人が少ない場所でしかできなかった。


紗江の家の近くの河原に行ったり、あの廃墟にも行った。


「ねぇ、あの子独り言?」


「うわ、一人で喋ってんじゃね?だってあれ独り言の内容じゃないっしょ(笑)」



それでも、一人にも会わないなんて無理で。


通り過ぎる人はあたし達を、いや、あたしを変な目で見る。
< 57 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop